← 記事一覧に戻る

うちのAI社員4人で、映像を1本つくってみた — AIだけで15秒リールを制作したメイキング

瀬戸内の夜明けをテーマにした縦型リールのワンシーン

※ 制作した縦型リールのワンシーン(イメージ)

「この映像、ぜんぶAIです。」——冒頭のテロップから、いきなりそう言い切る15秒のショート動画をつくってみました。

瀬戸内の海と光をテーマにした、縦型(1080×1920・24fps)のリールです。特別なのは、絵も、動きも、編集も、音楽も、すべてAIに任せたこと。人間がやったのは「どう作るか指示を出すこと」と「最後に良し悪しを決めること」だけでした。

この記事は、その制作の舞台裏(メイキング)です。AIで映像やWebを効率化したい事業者・クリエイターの方に向けて、実際に何ができて、どこでつまずいたのかを正直にお伝えします。

チームを組んだのは、AI社員4人

今回いっしょに作業したのは、4つのAIです。それぞれ得意分野がまるで違う、役割の異なる「社員」のようなイメージで並べてみます。

  • 画像担当 — Codex:各カットの「もとになる1枚絵」を5枚描いてもらいました。ネイビーブルー基調にゴールドの光、瀬戸内らしい海・島・造船所・港町のトーンを統一しています。
  • 動画担当 — Gemini:Codexが描いた静止画を読み込ませ、波のうねりや光の移ろいといった「動き」を吹き込んでもらいました。
  • 編集担当 — Claude:DaVinci Resolveでの構成・尺・テロップの段取りを設計する役です(実際のソフト操作は人の手で進めました)。
  • 音楽担当 — Suno:夜明けのように穏やかで、少し希望のあるアンビエントのBGMを生成してもらいました。

この役割分担は、そのまま映像のテロップにもしています。「絵は、Codexが描いた」「動きは、Geminiが吹き込んだ」「編集は、Claudeが仕上げた」——制作フローそのものを、作品の見せ場にしてみました。

制作の流れ — と、正直につまずいたところ

大まかな流れはこうです。

  • ① Codexで、5カット分のキーフレーム(各カットの1枚絵)を生成
  • ② その静止画をGeminiに読ませて、動画に変換
  • ③ DaVinci Resolveで「5カット×3秒」に組み立て、テロップを配置
  • ④ SunoのBGMを乗せて、H.264で書き出し
  • ⑤ 1080×1920・約15秒の縦型リールが完成

文字にするとスムーズですが、実際にはちゃんとつまずいています。

つまずき1:動画にできたのは、5カット中3カットまで。 Geminiの動画生成には1日あたりの上限があり、途中で「今日はこれ以上作れません」と止まってしまいました。残り2カットは静止画のまま。そこで、静止画をゆっくりズームさせるケンバーンズ(ダイナミックズーム)で動きを足し、映像として成立させました。結果的に、この「静」のカットがリズムのアクセントになってくれました。

つまずき2:DaVinciで尺を直すと、隣のカットが食われる。 あるカットの長さを伸ばすと、そのぶん次のカットの頭が上書きされて短くなる仕様に、2回ハマりました。編集点を1つずつ辿って実際の秒数を検算し、ズレを直して整えています。地味ですが、こういう「手直し」はAIには任せきれない部分です。

DaVinci Resolveで縦型リールを編集している画面のイメージ

※ 写真はイメージです

やってみて分かった、3つのこと

「全部AIで作れる」と聞くと万能に思えますが、実際にやってみて感じたのは、むしろAIは万能ではないということでした。大きく3つに整理します。

1. 最後に決めるのは、やっぱり人。 どのカットを採用するか、テロップをどこに置くか、15秒のテンポをどう作るか——このあたりは全部、人が判断しました。AIは「たたき台を高速で大量に出す」のが得意で、「その中の良し悪しを決める」のは人の仕事だと、あらためて実感しました。

2. 指示の設計が、仕上がりを左右する。 「文字を入れない」「人物を出さない」「画面中央に被写体を置く」——こうした制約を言葉にして渡すほど、生成の質は安定します。逆に指示が曖昧だと、AIはあっさり狙いから外れます。「上手に頼む」こと自体がスキルなのだと感じました。

3. 権利・ライセンスの確認は必須。 AIが生成したもの、とくに音楽は、利用できる範囲(商用に使ってよいか)が契約プランごとに違います。仕事の映像に組み込む前には、必ず利用条件を確認する——これは効率化と同じくらい大事なポイントです。

まとめると、AIは「作業を速くしてくれる強力な道具」であって、「作品の責任者」ではありません。責任者は、変わらず人間のままです。

まとめ — 任せるところは任せ、判断に時間を使う

15秒のリール1本に、4つのAIと、人の判断が入りました。全部を自動化することがゴールなのではなく、任せられるところは任せて、人にしかできない判断に時間を使う——それがこれからの映像制作なのだと、作りながら感じています。

NAVY_BLUEでは、こうしたAIも道具として使いこなしながら、愛媛・四国を中心に映像制作・Web制作を承っています。「AIで何ができるのか、まず相談したい」という段階でも大歓迎です。お気軽にContactからお声がけください。